8月9日の発表によると、新型コロナで2020年1月以来停止していた中国からの団体旅行が、約3年半ぶりに再開されることになりました。
中国はそれまでも東南アジアやアフリカ、南米などを中心に段階的に解禁していたようですが、ここにきて解禁にふみきったのは、8月12日に日中平和友好条約の締結から45年になるのを前に、関係改善に向けた動きを作ること、最近の景気低迷の打開策として日本との経済交流を拡大したい思いがあってのことだとか。
旅行業界はもちろん大歓迎、モノ作りだけでなくこれからは観光で食っていこうとしている日本経済にとっても吉兆でしょう。
ただ一般目線で言えば、ただでも最近ホテル価格があがってきたのに拍車をかけることになりそうですね。 観光業界だけでなく、人手不足がますます激しくなり、一般のサービス価格もあがることでしょう。働く人の賃金があがるわけだから、良いことかもしれませんが。
中国人団体客と言えば、誰でもが連想するのはマナーの悪さ。
あちらさんもだいぶ慣れてきて、またツアー会社も啓蒙につとめているので、だいぶ良くなってきたようです。そもそも、われわれ日本人だって、昔海外旅行が普及しだした頃は、農協ツアーはじめ世界中で悪評を振りまいていたのですから、もう少し温かい目でみて、日本ファンをふやしたいものです。
ところで、海外から来られるお客様も、最近はリピーターが多く、またネットの情報も多いので、京都、奈良や東京ディズニーランド、渋谷の交差点といった定番だけでなく穴場をめがけてこられるようです。
最近、日本側で用意した穴場メニューのひとつが、佐渡ヶ島。インバウンド対象にフェリーや空港料金に補助金を出すなど力を入れています。
佐渡と言えば去年、佐渡金山をユネスコの世界遺産登録に推薦するはずだったのが、韓国の半日団体からの「強制労働」との横槍やら書類不備やらで、見送りになったいわくつきの場所です。
今回推奨している目的は、ユネスコ対策でなく、もっと戦略的。
尖閣湾をご存知ですか。両津港や小木港から車で60分いったところにあり、30m級の尖塔状の断崖が約3㎞にわたって連なる海岸に広がる5つの小湾の総称。天下の絶景と賞されているノルウェーのハルダンゲル峡湾の景観に勝るとも劣らずない名勝です。
尖閣湾にご案内して、尖閣が100%日本のものだという印象を持ち帰っていただく遠謀深慮、もちろん中国での呼び名も異なるでしょうけれど、訪問客の何人かでも尖閣=間違いなく日本領というイメージをもちかえってくれば、国家安全保障に役立とうというものです。
ちょっと無理があるかな。でも、平和と安全のためにできることは何でもやろう。