生き物の命を大事に思う、心優しい人がたくさんおられます。
少し前の話ですが、秋田県美郷町の作業小屋に立てこもっていたグマ3頭を捕獲、駆除したところ、苦情の電話、メールがが県外から殺到、役場の担当者たちは通常業務ができない状況におちいるほどだったとか。
これについて、生き物保護活動に尽力されている仏野ナサケさんのお宅を訪問、お話をうかがいました。
― 最近の気候変動、里山の過疎化もあり、クマが出没、作物や
人に危害を与えて困っていると言う話を聞きましたが。
― そういう言い訳は許されません。命は何よりも大事。クマが危険なら、人が建物の中に入れば良い。檻の中に入れとまでは申しませんが。
― 最近、浜に打ち上げられたイルカを、助けたというお話を聞きました。
― うん、大きな成果だった。ボランティアや行政を動かして2日がかりで救助した。我ながらよくやった。
― 大変でしたね。お金も沢山かかったでしょう。
― 最初、そんな予算無いと渋っていたけど、生活保護の支給基準を引き上げることで、うまく捻出したようだ。やればできるのだ。
― 行政だけでなく、企業にもいろいろ働きかけておられるようですね。
― うん、アリの巣製薬に厳重抗議しているところだ。テレビコマーシャルでご存知と思うが、ゴキブリ殺戮剤を売りまくっている。でも、考えてご覧。 ゴキブリ可愛そうだと思わないのかい。同じ種類でもタマムシは珍重されていて、ヤフオクでも1000円以上で売られている。色が黒いだけで人を噛んだり何も悪いことしていないのに、気持ち悪いだの、衛生害虫だのって言って迫害している。不潔だと思うなら、家の中を清潔にしておけばゴキブリもきれいになる。それでも心配なら殺虫剤のかわりに、消毒剤ふりかければ良いのです。
― あ、すみません、この話書くと、嫁さんから殺されそうです。別の話お願いします。食べ物関係なんかどうですか。
― よくぞ聞いてくれた。ちょうど今、由比が浜漁協への申し入れ書を書いているところだ。シラスとか桜エビとか、大量虐殺している。 ビーガン、ベジタリアンならずとも、一度に何百もの命を戴いて良いわけがない。 食べるにしても、命一つ一つに感謝の念をささげ、心して食べるべきです。
いい話を伺いました。
ノートを本皮のカバンにしまい、革靴を履いておいとましました。そう言えば、玄関先に敷いてあった秋田からもらったというクマの毛皮、ふかふかしていて気持ちよかったな。
一瞬、おやっと思いましたが、なに、これは自分が殺したんじゃない。