昔、おつきあいのあった親日韓国人がいっていました。日本人も日本文化も好きだし、よく理解しているつもりなんだけれど、どうしても馴染めないのが割り勘ですって。
あちらでは、上下関係がない場合でも必ずどちらかが奢り、別のタイミングでおごり返してバランスをとるのだそうです。考えてみれば、日本でも昔はそうだったかもしれません。持ちつ持たれつ、お互い様のそういうウェットな関係を避け、その場で精算、さっぱりするという個人主義の、冷たい風習に染まってしまっているのかもしれません。私なんか、贈り物もらうのも借りをつくるみたいで鬱陶しい、了見の狭い人間に成り下がっています。
この間、ちょっとした飲み会がありました。飲み放題メニューもあったのですが、飲み放題はたいていビールがなかったり、日本酒がなかったり、あっても料理酒に毛が生えたみたいなもの。焼酎やウィスキーも安物ばかり、どうせ体に悪いもの飲むんだから美味しいものにしたい、そういうわけで、奮発して個別に頼みました。
ところが、仲間の一人が大酒飲み、飲むわ飲むわ、遠慮なんかかけらもなく、それでお勘定は割り勘。ほとんど飲めない人もいて、怨嗟の声しきり。
それでなくても、飲まない人は一生こうやって損して生きているのですね。
最近のレジでは、割り算をして表示してくれる優れものもあります。またLINEなどで、簡単に割り勘するアプリもあるようです。でも、所詮は人数割、もっと良いアプリが望まれるところです。
ということで、でました。
飲んだ量に応じて計算してくれるアプリ。
最近よくある、備え付けのタブレットやスマホで注文するやつもありますが、まとめて注文することもあって大抵は、頼んだ人=飲む人とは限りません。
でも大丈夫、店内に備え付けのカメラで、誰が飲んだか掌握、個人ごとの計算をしてくれます。
チェーサーに水を頼んでも、ジン・フィズなんかと間違えたりせず、ちゃんと判別します。
便利な、しかし、世知辛い世の中になったものです。