昔は、結婚相手を紹介する親戚のオバサンや会社の上司なんかがいました。うるさがられながらも、ありがたい存在でした。
それの発展形が、お礼目当てで、女学校の卒業写真なんかをもちあるいて、めったやたら紹介するサイドビジネス。そのうち、ツヴァイなどのように結婚相談所的な企業が活躍し、これのお世話になった人も多いのではないでしょうか。
そして今の時代、マッチングアプリが全盛、さらに、少子化対策とかで、行政もマッチングを熱心にやっています。
伝えるところによる
と、東京都は独自のマッチングアプリをつくっているそうです。行政がかかわっているし独身確認をしたりするので、出回っているマッチングサイトより、安心感がありますね。
更には、顔を出さずに交流ができる「メタバース(仮想空間)」を使ったイベントも増えてきたといいます。
2021年に東京都が実施した調査では、婚活方法としてマッチングアプリの利用が14.5%で最多だったそうですが、一方でこれを悪用した性犯罪、売春や詐欺などのトラブルも多発しており、その対策もかねて始めたようです。
厚生労働省の人口動態統計によると2022年の婚姻件数は全国で50万4930組と、50年前の半分程度の水準で、とりわけ東京都では、50歳時点の未婚率は男性が32.15%、女性が23.79%と全国で最も高く、なんとかしなければということです。
こうした動きや婚活パーティなどのイベントは、全国の自治体でもみられ、そのなかでユニークなのは京都市。
恋愛メタバース「Memoria(メモリア)」を使った「VR婚活」イベントを開催したそうです。報道によると、男性25人、女性10人の応募があり、そのうち抽選で選ばれた男女5人ずつが参加し、4組のカップルが誕生したといいますから、打率8割の大成功ですね。(それにしても確率が高すぎる、示し合わせての応募もあった?)
参加者からは「先入観なく相手を知ることができた」「アバターでも相手の気遣いが感じられた」好評だったそうで、市は第2弾の開催も検討するそうです。 (ここまではホントの話)
ただ、世の中、なかなか思う通りにはいきません。
(事案1)
名古屋市では、京都市のやりかたを参考に、男女25人づつのVR婚活イベントを行った所、思わぬところから横槍がはいりました。市議会で革新政党からLTBCQの差別ではないか、という声があがり、これに対して市長が、「この制度は、少子化対策のためにやったものですから、当然ながら男女に限ることにしています。」と答えたため炎上、訴訟やらリコール運動やら、いまや大騒ぎになっており、これが他の自治体にも波及しているそうです。
(事案2)
NHKが、この婚活成功事例を紹介すべく、最初にゴールインした、九條東次さん(仮名 36歳男性)舞子さん(仮名 37歳女性)にインタビューをこころみたところ、出会いのときに輪をかけたユニークな暮らしぶりがつまびらかになりました。
― 結婚するまで、何回くらいデートしました?
ー そうですね、30回は下回らないですね、遠距離だったのでいずれもバーチャルデートですが。
ー 初めてのキスは?
ー 僕ら、そんな不衛生なこときらいですから、したことありません。
ー つましくお暮らしと聞きましたが、お住まいはどんな家ですか。
ー 二人の勤め先のそばに4畳半1間+キッチンのこじんまりとした1Kアパートがありましたので、そこに住んでいます。節約して、お金をためたいと思っていますので安さ重視で選びました。窓がないので格安でした。
ー 堅実で素晴らしいですね。でも窓がないと息苦しくありませんか。
ー 3方にスクリーンがあって、そこに生まれ故郷の景色を映しています。ベッドに寝転んで故郷の景色を見ていると、心がやすらぎます。
― え、ベッド2つもおいたら歩く場所もなくなりません?
ー ベッドはひとつだけです。僕、もっぱら夜勤ですから、入れ替わりに寝るわけです。いえ、さびしくありません、画面にお互いの姿を映して、時にはライブでやっていますから。
これじゃ、少子化対策になりそうもありません。でも2人が幸せになったことは確かです。