ここ数ヶ月、近所一帯に「猫をさがしてください」チラシが貼られていましたが、途中、更新されたところを見るとまだ見つかっていないようです。そして今日、別のポスターも。
「猫は死期を悟ると自分から姿を消す」という説が昔から流布されていますが、動物学者によれば猫は自分の死という概念をもっておらず、苦しいので隠れ場所に逃げ込むというが本当のようです。
チラシの猫ちゃんたちはいずれも若い盛り、多分、若気の至りで飛び出した挙げ句、帰れなくなった
いうことでしょう。ノラわんこがいなくなったので犬のおまわりさんがいなくなったし。
知らなかったのですが、２０２２年６月からブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着を義務化されでいるのだとか。
直径2mm、長さ8〜12mm程度の円筒を注射器で埋め込むものでバッテリー不要、一度装着すれば一生交換する必要が無いとのだそうです。
ただ、これはGPSのように電波を発信するものではないため、リアルタイムな位置情報はわからず、迷子になった本人（ないし亡骸）にリーダーをかざすことで、１５桁の識別番号を読み取り、飼い主を特定する仕組み、できるだけ早く見つけたい愛猫家の切実な希望には添えません。
愛猫家たちの会話
おたくのムギちゃん、見つかってよかったわね。
ほんとに、ご心配かけました。猫探し探偵のおかげ、さすが専門家ね、すぐみつけてくれた、頼んでよかった。
マイクロチップ埋めてあっから、それで見つけられたのだと思ってたわ。
そうじゃないの、マイクロチップなんて役に立たない。捕まえてからどこの猫かわかるだけのもの、迷子札みたいなもんだから。もっと良いもの知らない？
うちのレオちゃん、エアータグつけさせているの。あれ、空港で荷物がなくなっても追跡できるやつの猫版、アイフォンを近づけると10メートル以内なら発見できるのよ。
でも、うちのムギ、レオちゃんみたいに大人しくないから、10メートルじゃダメね。
たしかにね。わたしも最初、そう思ったからGPSロケターって言って、GPSだから遠くにいてもわかるやつ、使っていたんだけどね。
え、それって良さそう。何ていうの、もう1回。 あ、GPSロケーターね。早速探そうとおもうんだけど、あなた、なんでそれやめたの。
GPSで電池もあるし、通信費もかかるの。それは、いいけど、ちょっと大きいのよ。それでレオが嫌がってね。しかたないから、小さいのに替えてやるからそのかわりお前、遠くに行っちゃダメだよ、って言い聞かせて、エアータグに替えたってわけ。
あら、じゃあ、その要らなくなったやつ、こっちに回してよ。お代はらうから。
それがね。ちょっと悲しい話があるの、聞いて。
遊ばせておくのもったいないから、旦那のカバンの中にいれておいたの。最初、ワクワクしたわ。だって、旦那の立ち回る先、全部わかるんだもの。で、そのうち、特定のところに頻繁に行っていることがわかってね、旦那締め上げたってわけ。
えー、浮気の現場押さえたってこと？ あんな真面目そうなご主人なのに。
それがね、その立ち寄り先ってのか、女じゃなくて、探偵社。旦那いわく、お前の挙動がおかしいから、探偵雇って調べさせていた、もう材料は上がっている、わかるだろうな、って。
ひぇー。最近ご主人みかけなくなったのは、そういう訳だったの。
あんなクソ旦那と分かれるのはいいんだけど、あの立ち回りでロケーター壊されてしまったのがかえすがえす残念、そういうわけでお渡しできないのよ。
