格差社会が度を増しているとの指摘がなされて久しい。
せめて子供にはできるだけ平等な扱いをしてその能力を伸ばしてやってほしいものですが、それはさておき、死後の世界においても大きな格差があるのは周知のとおり。
そう、戒名制度。
例えば、「信士・信女」・・・約30万~40万円、「居士・大姉」・・・約50万~60万円、「院信士・院信女」・・・約70万円~ だとか。
さて、話変わってこれからが本題。
ここ数日、ご高齢の有名人の訃報が伝わってきます。
大江健三郎さん(88歳 老衰) 扇千景さん(89歳 癌)、松本霊士さん(85歳 急性心不全) 豊田章一郎さん(97歳 心不全) 稲盛和夫さん(90歳 老衰)
若い方の訃報は心が痛むのに対し、(本人はもとより身近なひとにとっては老若問わず大きな悲しみでしょうが)功成なり名とげて高齢で大往生された方々のニュースを聞くと、不謹慎ながら世の当然の摂理、ご苦労さま、これいいのだと思ってしまいます。
ところで、皆様御存知でしょうか。死因にも格差があります。
長年の食生活で健康度に差が出るとか、保険外診療や差額ベッドといったことではなくて、お医者様から告げられる死因の表記そのものです。
兵庫県養父郡医師連合会(通称ヤブ医師会)では次のような価格表を制定しています。(85歳以上の項を抜粋しました。 カッコ内は筆者の勝手な解説です。)
・老衰 50万円
(極楽往生のイメージがあって望ましい。周りの方々は大変だったかもしれませんが。)
・心不全、呼吸不全 40万円
(ほかはピンピンしているようで聞こえが良い)
・多臓器不全 30万円
(満身創痍でなくなったようで、痛々しくイメージが悪い)
・直接関係なくても、癌、糖尿病などちょうど治療していた病名、20万円
(高齢者は、何らかの形で癌に罹患しているという説もあるし、知られたくない病名もある)
・戦死 20銭
(該当なし)
死亡診断書を書いてくださるお医者様にはしっかりお礼をして、人聞きの良い死因をかいてもらいましょう。
何もしないと、これはお医者様任せ。アル中、薬物中毒、栄養失調、憤死、腹上死、野垂れ死に、その他なんと書かれても保証できませんよ
例えば会社のOB誌や町内会の会報に、
〇〇さん、 2月30日13時00分 いぼ痔のため逝去 享年65歳
葬儀は近親者のみで行われます。 以上
なんて載ることになります。(いぼ痔でお悩みの方、例にとってごめんなさい)
(追記)
もちろん上記は嘘で、実際は死亡診断書記入マニュアル(厚労省)というものがあって、死因の表記はきっちり決められています。あなたのお医者様は真面目にきっちりやってくださるはずです。
老衰について抜粋すると:
死因としての「老衰」は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がいわゆる自然死の場合のみ用います。ただし、老衰から他の病態を併発して死亡した場合は、医学的因果関係に従って記入
することになります。
でも、何よりいちばん大事なことは、死なずに明るく生きること、バカ話して長生きしましょう。