我が国の地盤沈下が取り沙汰され、ともすれば自信を失いがちの今日このごろではありますが、最近、こんな明るいニュースが発表されました。以下、日経新聞の記事から要約、紹介します。
日本の政府開発援助(ODA)は2024年で70年を迎え、1980年代後半には世界最大の援助国となりました。
シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所が毎年発表する東南アジア諸国連合(ASEAN)の有識者への意識調査で、日本は「信頼できる」との回答が2024年に58.9%にのぼり、同じ質問の対象になった中国、欧州連合(EU)、インド、米国に比べて最も高く、6年連続で最も信頼される国に選ばれています。
その理由ですが「国際法を尊重し支持している(36.5%)」を挙げる声が「経済の強さ(27.7%)」などを上回り最多、これに対して中国は国際法順守の項目が14.2%と、5つの国・地域で最も低く信頼度は日本の半分以下でした。
更に詳しく見ていくと、以下が評価されているようです。
1. 国際法尊重と約束を守る姿勢
日本のODAは事業の計画から建設、維持・管理まで息長く責任を持つのが特徴で、例えば、インド、インドネシア、バングラデシュなど人口大国の都市鉄道で実績があり、インドネシア元駐日大使によれば「日本はODAを通じて約束を守るイメージを植え付けた」とのことです。
2. 人と人との双方向交流
外務省の調査によると、ASEAN、インド、中南米など6つの国・地域で7割以上が「友好関係」を理由に信頼を寄せています。中国が巨額の融資をしたあと相手国が返済に窮したら権益を奪う「債務のわな」として問題視される一方で、日本がODAで円借款を多く活用するのは、相手国に返済を通じて自立的な財政運営を促す狙いもあります。
日本の支援は人と人とのつながりを軸にした双方向性に重きを置く。国際協力機構(JICA)の海外青年協力隊を延べ4万人超派遣する一方、技術移転を目的に相手国の人材も受け入れてきました。
また、一例をあげますと、協力隊を経験した認定NPO法人「アフリメディコ」の活動に家庭に薬を常備する「置き薬」のサービスがあります。これは現地の人が自分で健康を守る自助努力を促すためのもので、代表理事の町井恵理氏によれば「日本は一方的な援助ではなく相手国が自ら考えて動ける支援を重視している」とのことです。
3. 戦後復興の経験と共感日本は戦後、米国からはおよそ18億ドル(04年時の価値で約12兆円)の援助、世界銀行からは8億ドル以上の借款を受けてインフラ整備をすすめ、経済成長につなけた経験を持ちます。
途上国は先進国に成長した日本に尊敬の念を抱いており、焦土からの再興を体現した日本は欧米諸国とは異なる説得力を持つようです。
良い話ですね。
ASEAN加盟国は、当初メンバーのインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポールに加え、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボ ジアが加わり10カ国。かって、大東亜共栄圏という理想の下、実態は軍事侵攻を展開した時代がありましたが、まさに共栄の世界。軍事力や経済力もですが、これこそ、安全保障の大きな柱です。
その後、1990年代初頭のバブル経済崩壊後、「失われた30年」で影響力が低下、2000年代初めに世界最大の援助国から転落、ISEAS調査で地域への影響力に関する質問で米中に水をあけられるようになってきたのが、懸念材料ですが、工夫してやっていきたいものです。
上記の記事ではアフリカや中南米にもふれられていますが、さて、欧米ではどうなのでしょうか。
調べてみました。
・ヨーロッパでの信頼度調査
日本って中国のどこ? そういえば友人が旅行してきたと聞いたわ。なんでも安いんだって。
・アメリカでの信頼度調査
もちろんナンバーワンさ、アメリカのポチ。ワンです。