世界中で同じ国家内で民族間対立や、少数民族への迫害が激しい国があります。
ミャンマーのロヒンギャ族迫害、中国のウイグル族への人権侵害、エチオピアの内戦など。
それに比べると、我が国は単一民族国家だと、よく言われますが、厳密には間違いだとされます。
民族の定義も人によって異なりますが、言語、文化、歴史、宗教などの共通の特徴を持つ集団といったところでしょうか。こうした定義からすると、厳密に単一民族からなる国家は、存在しないと考えられます。
もう少し緩く定義して、同一民族の割合が全人口の85%以上を占めれば単一民族国家になれるとされているそうで、例えば、日本は同一民族の割合が全人口の98%以上を占めており、単一民族国家に近いとされています。
そういう意味では、アイスランドやモナコのように人口の少ない国は別として、日本はかなりユニークな存在で、だからこそ概ね平和で、同質的、お互いを忖度しあう社会を形作っているのでしょう。
ちなみに東南アジアの国々について民族構成を調べてみますと
韓国： 韓民族が98％、残りは中国朝鮮族、済州島民、山岳少数民族
ベトナム： キン族（越人）が86％、残り14％が53の少数民族
インドネシア： ジャワ人が50％、残りが350種族以上
タイ： タイ族（シャム族、ラオ族）が75％、中国系14％ ほかマレー系、クメール人
なんて具合です。
では、日本の少数民族は？
御存知の通り、古くからはアイヌ、琉球人が存在し独自の言語や文化を持っています。
DNA的には、縄文直系の子孫がアイヌで、渡来系弥生人の影響が強いのが本土人、そして縄文人と渡来系弥生人の影響が半々といったところなのが琉球人と言われます。
昔、征夷大将軍（蝦夷＝アイヌをやっつける大将）なんて官名があったように、本土人は少数民族を退治して南北に追いやり、その後も近年までアイヌや琉球人などの少数民族に対する差別や偏見が根強く残っていました。そして今、同化がすすんで、差別意識が減る一方で、アイヌや、琉球民族のことを忘れ去り、我々は単一民族だと、称しているわけです。
でも、驚きました。昔はどうだったかは別として、現在では比率的には極めてマイナー。
推計値ですが、北海道に居住するアイヌ民族の人口は1万3千人 （0.01％）、琉球民族は14万人（0.11％）、これだけです。こうなると、過去の「歴史認識」はさておいて、我々の認識する限りでは、（「万世一系の天皇」云々はさておいて）日本はほとんど一つの民族、国家だと言って良いのだと思います。
一方、在日外国人は近年増加しており、いま、日本に在留している外国籍の人は、10月末で約288万人、国別では
韓国・朝鮮 75万人
中国 67万人
ベトナム 38万人
ブラジル 28万人
フィリピン 25万人
ネパール 24万人
インド 22万人
ペルー 21万人
タイ 19万人
と言った具合。これに加えて国際結婚によって日本で生まれた子どもは約50万人、さらに日本国籍を取得した人も約50万人いるといわれ、外国にルーツをもつ人が約400万人（人口比3.3％）、日本で暮らしているということになります。 （ここまではホントの話）
そうなると、日本も多民族国家になりつつある？
そうはさせじと、移民規制を厳格化しろ、という人々と、外国人労働者をどんどんいれて共生をはかろうという人々との間で論争が繰り広げられているのはご存知のとおり。
でも、そういう難しい話はさておいて、ここは一つ、日本国内で外国旅行気分を楽しみませんか。
韓国・朝鮮 大阪鶴橋・生野 東京新大久保 有名ですね。
中国 長崎 神戸 横浜 埼玉県西川口 これも有名です。
ベトナム 東京池袋周辺 千葉県松戸市 大阪府八尾市 横浜市泉区いちょう団地
ブラジル 群馬県大泉町 群馬県太田市 栃木県小山市 静岡県浜松市 愛知県豊橋市
フィリピン 東京足立区竹ノ塚 江戸川区小岩
ネパール 東京阿佐ヶ谷
インド 東京都西葛西
ペルー 横浜市鶴見
タイ 東京錦糸町
これら順番に訪問、エスニック料理を楽しみましょう。
