人類の週末が近いぞと言わんばかりの異常気象、戦争の脅威、マジメに考えていたら精神に変調をおこしそうです。
アフリカを舞台にした「その日暮らしの人類学」(小川さやか 2016年光文社新書)という本を読んでいたら冒頭に、こんな事がかかれてありました。
「日本で暮らす多くの人びとは、もう長い間、その日その日を紡いでいると言った感覚とは無縁の生き方をしている。あるいは、明日どうなるかわからないといったゾワゾワを封じるために、社会全体でいまの延長線上に未来を計画的・合理的に配慮し、未来の耐えに現在を生きることがまるで義務であるかのように生きている。安心・安全が予想可能性と深く結びつき、よりわかりやすい未来を気づこうと制度やシステムを高度化し、将来のために身を粉にして働く。」
ちょっと、身につまされません?
日曜日は旧約聖書の安息日に由来し、本来、労働が禁じられお祈りをする日で、ヨーロッパの保守的な場所では、お店なんかもみんな休んでしまい旅行者泣かせになります。
それどころか、最も厳格に守るユダヤ教では、金曜日の日没から土曜日の日没までを安息日「シャバット」とし、料理など家事や家電製品の使用などの「作業」も一切禁止で、イスラエルではほぼすべての店と公共交通機関がストップするのだとか。
最近では日曜日はおろか盆も正月も休まない忙しい世の中になっていますが、環境省と厚生労働省が主導し、働き方、生き方を見直すという趣旨の社会実験が行われることになりました。
毎月第3日曜日を「超日曜日」と定め、イスラエルほどは厳格にせず、個人の「作業」までは禁止しませんが、ほとんどの「労働」を禁止するものです。
以下、これについての、官房長官との一問一答です。
Q 電気、ガス、通信、放送もとまるのでしょうか。
A 自動的に流れてくる分には使えますが、メンテ作業も含め人力の介在は一切しません。従ってあまり期待しないほうがよいでしょう。
Q それでは電車も動かなくなるではないですか。
A もちろん、電車もバスも、タクシーも動きません。必要なら歩いてください。
Q 警察や消防署はやっていますか。
A もちろん休みです。犯罪が怖かったら、自警団で対処してください。救急車が必要になっても、お互い助け合って、自家用車で対応願います。
Q 自衛隊はどうします、周りの国が狙っていますが。
A 唯一例外として、海上自衛隊と航空自衛隊は平常運転いたしますが、陸上自衛隊は休みます。
Q 安全保障上、困るじゃないですか。
A みずから包丁を手に、戦えばいかがでしょうか。自らを守るという意識をもつようになれば、むしろ安全保障が強固になると考えています。もちろん、大災害などもありえますので、スタンバイはしております。
Q 病院はやっているというわけですね。
A もちろん休みです。1日中ケアが必要な延命措置はムダです。急患についても超日曜日には静かにしていれば、事故の可能性は低くなります。やたらと病院の世話になることは見直したほうが良いです。最悪の場合でも、運命だと思って諦めてください。
Q 母が老人ホームにはいっているのですが、世話してくれるんですよね。
A もちろん、いたしません。1日くらい食べなくても、人間死ぬものではありません。最悪でも寿命と考えるべきです。
A さっきから、しつこく聞いてこられますが、世界人口の10%が1日の収入200円以下で生活しています。そういうところで、そんな社会サービスが受けられるとお思いですか。今、自分は最貧国に住んでいると考えたらあきらめがつくのではないでしょうか。
Q そんな不自由なことにして何のためになるのですか。
A 自助共助公助と申しますが、平和ボケしていて公助にだけ頼り切っている国民の意識改革を目指します。また、テレビやスマホから開放され、家族団らんがすすみ、豊かな心をとりもどし、ひいては少子化対策になることが期待されます。
Q で、官房長官、あなたはどう過ごされます?
A 私は台湾に大事な用事があるので、前の日に発って、月曜日に帰国する予定です。