富士山の登山者が急増、無理な登山をする人も増え、大変危険な状況だそうです。
ヘタレの私は苦労して登るの嫌ですから、遠くから拝観するだけにしていますが、多くの人が一度は登りたいと思うところ。
もともと、登山人気が高かったですが、世界遺産登録後、20万人だったのが30万人以上に激増、富士山ツアーで検索すると、沢山のツアーがヒット、初心者もOKなどと謳っています。
ある大手のパンフレットによると、標高2300メートルの5合目まではバスで行き、そこから登山開始、夕方8合目の山小屋に到着、仮眠をとった後、23時前後に出発、4時頃に標高3770メートルの山頂到着、そこで御来光をあおぐ、なんか、簡単そうに見えてしまいます。
でも、実態は酷いもので、それでなくても混んでいたところに、このブーム、おまけに勝手知らないインバウンド(外人観光客)も加わって山頂付近は大行列、山小屋は満員、色々な問題がおこっているようです。
そもそも4000メートル級の高山、天気が荒れたら夏でも命の危険があるわけで、軽い観光気分で行って良いものではありません。自己責任とは言っても、遭難があれば救助にいかないわけにいかないし、手間も危険も費用もかかり、地元はじめ周囲に大きな迷惑をおかけします。
神聖な我らが富士山、そこを汚してほしくないし、遭難事故などを起こしてほしくないものです。
そういうこともあって、この度、環境省は主要海外国と連携して自動車免許にならった、登山免許制度をもうけることにしました。
従来から、日本山岳検定協会による「山の知識検定」があるのですが、これを公の制度として義務化したものです。
対象は、富士山に限らず、標高差500メートル以上の登山で、山の高さと、季節により、夏山初級、中級、上級、指導員、ガイド付き限定免許、また、山の高さとは関係なく、特定の難所については、特殊免許などが設けられます。また、事前の申請によって国際免許証も発行されます。
免許取得に当たっては、地図、気象、応急措置、マナーなど学科テストに加え、実技試験があります。
実技試験に先立っては仮免許制度もあり、有資格のガイド同伴で、背中(ザック)に大きく仮免許登山中と書いたゼッケンを掲げることが求められます。
免許証はマイナカードに組み込まれ、更にスマホにロードされ、位置情報と連携し電子入山届、主要登山口での入山料支払いがされることになります。これにより、入山料の課金、登山者の掌握が可能となり、また、万一の場合は速やかに救助が可能になります。
登山愛好者たちには励みになるし、山の整備費用の一部を賄うことが可能になるので、概ね好評のようです。
なお、運転免許と異なり、酒気帯び登山は違反とはなっておりませんので、山頂でお疲れ様、ご褒美とか言ってビールを飲むのは認められております。