5月14日のNHK番組で「今月5日の地震で震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市では、少なくとも7つの神社で鳥居が倒壊したことが分かりました。鳥居の安全性については、建築基準法に直接的な規定がなく専門家は全国一律の基準の必要性を指摘しています。」とのこと。
おっしゃる通りではありますが、総論では普段は何かと官が威張りすぎている、規制が多くて成長を阻害しているとか言っているマスコミも、何かあると各論では、規制を設けるべきだと主張するのだから、いい加減なものです。
とは言え、狭い国土、私たちの周囲は高層ビルはじめ、いろいろな構築物がそびえたち、空を狭くしています。視界を妨げたりビル風を起こすだけなら良いのですが、いくら万全を期しても、倒壊、逆に高層マンションからの落下、など、立体社会ならではのリスクが併存しております。
これに対する先進的な取り組みをご紹介しましょう。
もともと平市を母体の一部とする福島県いわき市では、高さ制限を市内全域に実施、10メートル(ビルなら3階から4階、少し大きな2階建て一般家屋の屋根程度に相当)以内の低層建物しか認められなくなりそうです。
従来からも、第一種低層住宅専用地域などに、この規制はあるのですが、いわき市の場合は、住宅だけでなく、公共施設から、神社の鳥居から電信柱、高圧線、看板、携帯基地局アンテナ、灯台など、あらゆる構築物にこれを適用するという徹底的なもので、防災面だけでなく、「空の広い平らな町、いわき」とのキャッチフレーズで観光の町を目指す狙いもこめられています。
この動きについては、何を今更、うちはそれでなくても何もない、真っ平らだという声をあげる市町村も多い一方、東京都小平市や栃木市大平町などが関心を寄せるなど、全国的な広がりをみせつつあります。
もっとも、お膝元のいわき市では、スパリゾートハワイアンズなどの観光施設や小名浜港の工業団地、港湾施設も擁しており、これらの運営者から、こんなのまっぴらだ、旧平市(市内中心部分)だけにしてくれ、との声も上がっており、先行きが注目されております。
(追記)
なお、高所から幼児が落下する痛ましい事故については、3月25日付「メタバースを使用した幼児向けリスク回避ワクチンを接種してください」でも触れておりますので、よろしかったら併せ参照ください。