中距離列車にのると、ロングシートとクロススシートがあったりします。どちらがお好きですか。
旅行のときなんかはクロスシート(ボックスシート)のほうが楽しそうですが、混んでくると足が窮屈だったり、他の人に気を使ったりするので、ロングシートのほうが良かったりします。
で、4人づつのボックスシートの場合、まず例外なしに、進行方向に向いた席が好まれます。
特急列車なんかは、ボックスシートでなく2人づつのクロスシートになっていて快適ですが、問題はその向き。
普通、進行方向向きがデフォルトですが、終点での折返し、運行ルートの関係で途中から進行方向が変わる列車なんかでは、その都度向きを進行方向に変えてたりしないかぎり、後ろを向いて走ることになります。なかには固定されているケースもあります。
私、学生時代は、ボックス席などで後ろ向きに座るのが好きでした。
何か、景色が流れ去っていくのが、安らぎを与えてくれる。鈍行列車のボックス席の反対向きに陣取って、足を投げ出し、手を窓から出して、流れ去る風景をみながら感傷に浸っていました。ま、青春時代だったせいでしょうか、今は、前向き大好き爺さんですが。
なんで、進行方向向くのでしょうか。
前向きの一番のメリットは、車窓からの景色をより広く、ダイナミックに楽しむことができることでしょうね。それに、風を感じられます。たとえ窓があいていなくても、気分として、風が感じられます。
一方、後ろ向きのメリットは、視線や意識が外の景色に集中せず疲れにくいということでしょうか。
あと、進行方向に向いていると、揺れに体が慣れやすく、乗り物酔いを防ぐことができるともいわれているようです。
メダカだって川の上流に頭を向けて泳いでいますよね。
ところで、飛行機なんか乗ると、一部、反対向きの座席を目にします。乗務員さんがすわる席のようです。
なんででしょうか。場所の有効利用? いや、もっと隠された何かがあるはず、安全面から考えてみました。
列車なんかの場合、窓から外をみていれば、急ブレーキがかかった場合でも事前に予知できるし体が前方に倒れても足で踏ん張れますね。車の場合は、後ろから追突されて首の骨を折るリスクは格段に少なくなるでしょう。
飛行機の場合は、事前に危険を察知するという意味では、後ろ向きでも前向きでも同じ、外は見えないんだから。
ぶつかる場合は、後続車から追突されるよりも前からドカーンと行く可能性のほうが圧倒的に高い。その場合。前からの衝撃をシートベルトで支えるより、座席に押し付けられるほうが安全。
そうか、緊急時まず乗客を的確にリードしなければならない乗員たちをまず優先的に守る必要があるからなんだ。
というわけで、最近、一部の座席だけでなく、全席反対向きの座席を採用する航空会社が増えてきたと言います。
また、エミレーツ航空など中東系の航空会社の運用するメッカ巡礼用の機体では、座席が可変シートになっているものを採用、座席が常にメッカの方向を向くようになっているのだそうです。
一回お試しに乗られてはいかがでしょうか。ただし、ワインやビールはでませんし、断食の時期は、機内食もでませんけど。