ありがたいことに、現在の我が国は人を見たら泥棒と思え、なんて社会からは程遠いですね。
詐欺師や悪いやつは絶えませんが。
ここで話題にしたいのは、認知症の話。高齢者をみたら認知症を疑ってくださいというお話です。
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、65歳以上の認知症患者数は(各年齢の認知症有病率が一定の場合)、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。
更に、軽度認知障害(MCI)もあわせると、65歳以上の3分の1が認知症になるのだと言います。
だれしもボケたくないですから、ある程度の年になると、本人たちが、認知症にならないために、色々な努力を払っていると思います。(全然気にとめない人も多いですが)
例えば、外出したり新しいことをするなどして脳を活性化させる、有酸素運動をして血流を良くする、栄養面でバランスを取る、きちんと睡眠をとる、などなど。
しかしながら、こうした努力や医学界のご尽力にもかかわらず、高齢化社会になるにつれ多かれ少なかれ認知症が増えるのは避けられません。
本人はもちろん、周りの人にとっては別の角度からの対策も必要です。
すなわち、組織などでご一緒している人の認知症を見抜き、それなりの対応をすること。本人のためにも、そして会社など組織や社会のためにも。
これはなかなか難しいことです。なぜなら認知症といっても、初期のうちは、全部だめになるわけでない。殆どの部分では正常でも、どこか1点おかしくなる。まだらボケってやつで、本人も無意識のうちに補償行動をとるので外からは一見わかりにくい。
まわりを見回してください。会社の上司などで、そういう人、おられません? 経験を活かして仕事をバリバリ、素晴らしい上司だと思っても、疑いの目で観察してみましょう。次のリストを参考に、心を鬼にして厳し目に採点してください。
一般的な初期症状は下記のとおりだそうです。
【記憶障害】
・数時間前にあったことを忘れてしまう 言ったことをわすれるのもそのひとつです。君子豹変ではありません。
・同じことを何度も言ったり、聞いたりする 念を押しているようにも見えますが。
・よく忘れ物、なくし物をする 書類提出するときは、写しをとっておきましょう
・人の名前や物の名前を忘れる 普段、名前で呼ぶのに、時々「おいっ」とか
【見当識障害】
・今日の日にち、曜日が分からなくなる これ月初までにやっておけって、今日何日だと思っているのですか
・いつも使う道で迷子になる 社内を徘徊して、予定外のところで話したりしていませんか
・昔の出来事を最近の出来事と勘違いする 思い出話ばかりしていませんか
・理解力・判断力の低下 すぐ自慢話をはじめるのも、過去の延長線で判断している証拠です。
・これまでできていた手続きなどができなくなる これやっておけ、とか部下に丸投げ。実は自分でできなくなったのでは
・人に物事を説明することが難しくなる ろくに説明せずいいか、わかったな、これで済ます。
・テレビ番組や人の話が理解できなくなる 何度説明してもわかってくれません。思い込み、早とちりも症状の1つです。
・行動にミスが増える 長年の経験でごまかすのが上手いので、見破るのは難易度が高いです
【その他の症状】
・仕事の段取りが悪くなり、時間がかかる 、 特に新しいことをしなくなります
・これまでできていた仕事が正しくできなくなる 全部秘書にまかせていますから大丈夫ですって。
・季節や状況に応じた服装ができなくなる 背広とネクタイをしておけばいいってものじゃありません。
・食事の食べこぼしが増える ランチはご飯でなく麺類ばかりにしているようです
・怒りっぽくなる カッとなる、愚痴る、人の悪口を言う
ああ、うちの会社の人、全部あてはまる。これでも潰れないんだからすごい。