ちょっと前までは、イチゴといえばイチゴ、リンゴといえばリンゴ、お米といえばお米、生産者はともかく普通の人は品種、ブランドなんか考えませんでした。 所が今や、お店でも品種名が表示されている、私なんぞは何でも一番安いのをかうけれど、品種、ブランドを選んで買う人も多いでしょう。その最たるものがお米ですよね、ほとんどの人が、コシヒカリ、ササニシキ、ななつ星、あきたこまち、しんのすけ なんて銘柄を選んで買っているようです。
最近の野菜やキノコは工業的につくられるものが多くなりましたが、その中で安くて栄養があり手頃なのがスプラウト系。
激安のもやし、1パック100円前後の豆苗、貝割れ菜、そして栄養価が高いので人気のあるのがブロッコリースプラウト。
この間、村上農園の広告をみました。
「ブロッコリースプラウト200は 有用成分「スルフォラファン」を高濃度に含む、発芽後1週間程度のブロッコリーの新芽です。スルフォラファンとは、ブロッコリーに微量に含まれる、植物由来の化学成分(ファイトケミカル)。
ブロッコリースプラウト200は、スルフォラファンを成熟ブロッコリーの10倍以上と高濃度に含みます。」なんて書かれてあって、ご丁寧に認定シールまで表示されています。
そうなると、スルフォラファンが何か知らなくても、そうか10倍もはいっているんだ、と感心して、少し高くても健康のためにと思って買ってしまいます。
こういうのよくありますよね。サプリメントはもちろん、ヨーグルトなんかもビビフィス菌だの、ガゼリ菌だの、沢山はいっていれば、良さそうな気がする。もしかして「うちのマーガリンにはトランス脂肪酸が、他社製品の倍もはいっています」っていわれても、良いとおもってしまうかもしれません。(通常、トランス脂肪酸は有害とされ、米国では使用を禁止されているとか。)
ー 新製品の野菜ジュースの売れ行きがも一つです。
ー 健康にも良い自信作、宣伝の仕方がわるいんじゃないか。
ー 健康美が売り物の人気タレントに「20種類の野菜がはいっています、野菜100%、おかげでお肌もきれい、毎日元気」と言わせているんですが。
ー 最近の消費者には、そんなことじゃ訴求できない。他社と差別化をはかれ。
― じゃ、こうしましょう。「カリウム、リコピンがはいっています。」って大きく書くなんてどうですか。
― はいっているの当たり前じゃないか。
ー 当たり前でも、消費者は、うちのだけ特別だとおもうじゃないですか。
ー そうだ、医学博士に、推薦文をかかせて写真入りで載せましょう。なに、医学博士なんて大勢いるし、ちょうど私の親戚に、博士号取ったけど患者が来なくて食いっぱぐれている男がいます。専門は耳鼻科ですが、何、構わない。
そういうことで、くだんの医学博士が、写真入りで「カリウム、リコピンがとれます。私も毎日飲んでます。」とやったら、売上が3割伸びたということです。・めでたしめでたし。