フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの北欧諸国はおなじみですが、バルト海を隔てて南にあるエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国はまだまだ知られていないようです。
そのなかのリトアニアにある「十字架の丘」の写真を見て衝撃をうけました。
小高い丘に大小無数の十字架が立っています。クリスチャンでない私は、十字架というとお墓を連想するので、不気味この上ありません。(著作権の問題もありそうなので写真をおつけできませんが検索したらすぐヒットします。)
もともとの興りは不詳。一説では1831年にロシアに対して蜂起した際、犠牲者を悼んで誰かが立てたのを見て、次々と増えていったのだとか。その後、抑圧された人々が武力を使わずに平和を取り戻す運動の象徴とされ、人知れず十字架を置いていくひとが続き、今では5万を超える数になっているだろうとのことです。
ですからお墓ではなく、私のような異教徒からは不気味な風景に映りますが、信徒さんたちからみたら神聖な丘なのかもしれません。
で、面白いのは、近所で十字架を売り出したこと。
つまり、商売熱心なお店で十字架を買い求めて、これを置いてくるというわけ。なかには敬虔な方もおられるのでしょうし、観光客でも神社の絵馬のようなノリで置いていく人もいるのでしょうけれど多分多くは興味本位の人たち。
トレビの泉なんかに倣って水たまりにコインを入れるのと同じかな。
そう言えば、ブロークンウィンドウ理論ってのがありますね。
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなくすべて壊される状況を誘発するというもの。空き地にゴミがすてられると、皆が安心?して、次々とゴミを捨てる。軽い違反やモラルの乱れを放置しておくと人心もすさみ、環境の悪化や犯罪の多発を招いてしまうというわけです。
いやー驚きました。
神社にお参りした時、帽子がじゃまになったのですぐそばの梅の木にかけておいたんですけど、うっかり忘れてしまいました。
そのごすっかり忘れていたのですが、1年ほどして参拝にいったとき、ふと思い出し、その梅の木のところにいきましたよ。
そしたらまあ、驚いたことに、無数の帽子がかけてある。
聞くところによると、帽子をかけるとハゲが治るというデマを飛ばす輩がいて、つぎつぎと帽子をかけていく、しまいには社務所で帽子を売り出すという騒ぎで、こんなことになったのだとのことです。
ワシがはじめたんじゃ、と威張りたくなりましたが、そう言えば毛が増えてきたような気がするような、しないような。嘘から出たまことっつうか、これもご利益ですなぁ。