線路にそって延々と細い道が走っている、そういうところ歩くの好きです。
車もさほど通らず、夕方になると赤ん坊を背負ったおかあさんや、孫を連れたおじいさんが列車の走るのを見送っている。そんな昭和の風景。おかあさ~ん。
蒸気機関車って人気ですが、あれ、無理に作られた人気だと思っています。
だって、蒸気機関車が懐かしいと思う世代の人達って、もう、なんでしょ。
私いい歳で、高校生くらいまでは地方で蒸機にひかれた列車に乗った記憶がありますが、懐かしいのは蒸気機関車でなくデッキ付きの電気機関車。その後デッキはなくなって今の機関車のような形になりました。
もっと若い世代は、湘南電車とか、こだま号とか電車でしょうけれど。
こんな蒸機や電機が客車を引いていた時代、遠くへのあこがれを運ぶ列車はいま以上に人気の的。列車が通ると手を振ったりして喜んでいました。
夕日が線路に映るなか、機関車に曳かれた列車が走っていく、沿道では子供たちが手を振る、そんな美しい世界ですが、実は国鉄が長年悩んできた大きな問題がありました。
(ここからは食事中の方にはおすすめしません)
黄害問題です。1970年頃まで、列車のトイレは多くが「垂れ流し」、スピードの遅いときはそのまま、早いときは霧状にして、汚物を線路上にふりまいていました。沿線の住民たち、保線や車両メンテにあたる職員、周辺の民家が最大の被害者で、特にブルートレインなんか大変だったようです。
被害は一部の人達だけではありません、踏切で通過をまつひとたち、車窓の風景を楽しみながら駅弁を食べる乗客も知ってか知らずか、みんな洗礼を浴びていました。
新聞などでも騒がれ、国鉄やメーカーは何十年も改良に取り組んできましたが、列車の構造や地上設備の問題などがありなかなか進捗せず、国鉄が1987年に民営化されるころになってかなりタンク式にいれかえられたものの、最終的に解消したのは2002年になってからだといいます。
そういうことで、今は大丈夫です。安心してご乗車ください。
ただし、それは日本での話ですよ。外国は国や列車のグレードにもよるでしょうけれど、ヨーロッパはまだほとんどが垂れ流しらしいです。きれいな車体に騙されてはいけません。中国は、高速鉄道に限って言えば意外にも真空式のタンクを使用しているようです。ほかはもちろん、ナニですが。
(ここまで、全部ホントの話)
ところで、鳥は所構わず出す落とし物をします。軽くするためにそうなっているんだそうで、電線の下なんか歩いていて被害にあった方も多いと思います。
鳥といえば、飛行機。ご存知ですよね、LCCのトイレ。
少しでも軽くして経費を節約、格安のフライトを提供してくれていますが、トイレもこの方針に従っています。こんど流す時、下をみてごらんなさい。静岡上空では富士山がみえるかもしれません。
びいちじゃぱん社に聞いてみました。
ご指摘のとおりですが、全く問題ありません。
気圧差の関係でお尻を吸い込まれたというトラブルが数件ほど発生しましたが、いわゆる「黄害」問題とは無縁です。1万メートルの上空を高速で飛ぶわけですから、全て細かい霧になり、下に降り注ぐ心配は一切ありません。
ただ、先日、お客様から、トイレでくしゃみした拍子に入れ歯をおとしてしまったという苦情を受けました。
成田に帰着する直前でしたので、多分東京上空かと思われます。
見つけられたら当社までご一報ください、謝礼として当社マスコットのぬいぐるみをプレゼントさせていただきます。