10月31日はハロウィンなんだそうです。
その起源はケルト民族にあり、古代ケルトの新年である11月1日の前夜祭、秋の収穫物を集めていわったものだったのだそうです。
ご存知のように、かぼちゃを怖い顔にくり抜いて中にキャンドルを灯したランタンを飾り、子どもたちが仮装して家を回って、「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ)」と声をかけながら玄関先でお菓子をねだり、大人たちは、「ハッピーハロウィン」と返してお菓子をあげるなんて楽しい風習です。
お化けや怪物に仮装する理由は、先祖の霊と一緒に帰ってくる悪霊を怖がらせて追い払うためで、かぼちゃのランタンは、「ジャックオーランタン」という名称で魔除けの役割を持ち、悪霊を追い払う力があるといわれています。
そういう意味では、クリスマスやイースターみたいな一神教{キリスト教)のお祭りでなく、万物に神(精霊)が宿るという、八百万の神様にまつわるもので、我々にも親和性が高い気がしますね。
例えば、お盆なんかこれに近く、地域によってはコスプレするところもあると聞きます。
ちなみに、ケルト系の人は、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランスのブルターニュ、カナダのノバスコティアなどに多くお住まいだそうです。
かぼちゃはともかく、仮装してお菓子をねだる風習は日本にもあるみたいです。
調べてみると、
◯ 亥の子石(愛媛、高知) 子供たちが亥の子石と呼ばれる1~10キロくらいの丸い石を持って各家庭をまわり歌を歌ってお菓子をもらう。
◯ 北海道の「ローソクもらい」 子供たちが各家庭を訪問し、歌を歌ってその返礼にロウソクやお菓子をもらう。
◯ 岩手県久慈の「ホロロン」 子供たちが仮面を被って「ホロロホロロ」とか、「祝つてくさえ」と言いながら家々を訪れ正月の餅などをもらう。 {近年は廃れた)
有名なところでは秋田県男鹿半島に伝わる「ナマハゲ行事」もちょっと似ていますね。
なまはげは神様の使い、山の神様などともいわれ、年に一度大晦日の晩に現れ、各家庭を巡り、悪事に訓戒を与え、厄災を祓い、豊作・豊漁・吉事をもたらす来訪神として「怠け者はいねが。 泣く子はいねが」と練り歩く、古くから伝統を受け継ぐ民俗行事でユネスコ文化遺産にも登録されているそうです。
かつて小正月に行われていましたが、現在は12月31日の大晦日、そういう意味でもハロウィンと同様です。
ところで、秋田日報の片隅にこんな記事が載っていました。
<時期はずれのなまはげで村は大混乱>
10月31日夜、男鹿市東岸村真山禿治郎さん(農業56歳)宅から、暴漢が押し入ったとの通報があった。通報をうけた駐在所の巡査がかけつけたところ、異様な風体をした男性が暴れているのが発見された。
取り押さえて事情を聞くと、男は近所に住む本山生毛さん(無職92歳)で、事情を聞くと、テレビのワイドショーでハロウィンを特集していたのを観て、なまはげの日と勘違いし、衣装をまとって隣の禿治郎さん宅を訪問したものと判明した。
禿治郎さんの話 いや~驚いだ。いぎなり、なんとがいねがなんて叫んで、面かぶったのが暗闇がらででぎだもんで。本人は怠げ者はいねがど言ったつもりだったんでしょけれど。
ばっちゃは腰抜がすし、孫どもは泣ぎ叫ぶし、あわでで駐在さんに電話したんだす。
折から熊退治で山にはいっていた猟友会のメンバーや消防団もかけつけて、人口343人の村は大騒ぎになったという。