最近の環境省と日本自然保護協会の調査では、里山、里地にごく普通にいて身近な存在だった鳥やチョウが急速に減っているということがわかりました。
例えば、スズメが年間3.6%、オナガが14.1%も減少しているのいうのです。
報道によると、「生息環境別に見ると、森林や山地ではなく、農地や草原、湿地など開けた環境に生息する種の減少が激しい。これらの場所では里山の荒廃やシカの食害などに加え、稲の害虫駆除に使われるネオニコチノイド系農薬の影響が特に大きいためだと考えられている。」とのことです。減農薬が進んでいると思っていたのですが、スズメさんたちにとっては、迷惑なのでしょうね。人間様にとってはおコメを効率よく作らなければならないし、スズメはコメを食い散らかす害鳥でもあるのですが、程々のところで、うまく妥協してほしいものです。
そういえば、都会でもスズメをあまり見かけなくなりました。
かってはスズメやツバメがそこらに飛び回っていて、最も身近な存在だったのに、最近ではめったにお目にかからず、カラスやヒヨドリ、シジュウカラなんかの影に隠れている感があります。
こちらの原因は、里地里山とは少し事情が異なります。
生活に一番基本的なものを衣食住と申しますが、その食と住の状況が悪化したのが原因といわれます。
まず、食ですが、これは都市化、衛生環境の向上で、あちこちの水辺で発生していたユスリカの大群や樹木につく虫、イネ科の雑草が大幅に減っています。
次に住ですが、瓦の隙間や人家の穴をねぐらにしていたのに、最近はそういう家が激減しています。高層マンションや陸屋根でなくても、スレート葺なんかで、巣を作る隙間なんかありゃしない。
幸い、「衣」については自前でなんとかしているようですが、これでは少子高齢化にならざるを得ません。
一方、諸疑惑などもはねのけて都民多数の支持を受け再選された東京都知事ですが、最近、自民党の総裁選挙などが騒がれ、あまり注目を浴びなくなったのが面白くありません。
そこで打ち出したのが、都会に生き物をとりもどそう運動。
新築の住宅には、太陽光パネルと同時に、和瓦の使用を義務付ける新施策を打ち出しました。
瓦屋根の上に太陽光パネルを敷くことにより、スズメたちにとっては大量の都営住宅が提供されることになります。
また、同時に空き家などの草刈りを禁止することにしました。遊休地に雑草が生え放題になることにより、鳥たちの餌が増え、あわせてCO2が吸収されるという一石二鳥を狙ったものだそうです。あ、一石二鳥は禁句でしたね。