よく、来日客が日本のトイレの綺麗さに感激するという話を聞きます。
日本素晴らしい話、折角きたのだから良いとこ探しをする傾向があるでしょうから、割り引いて受け取る必要があるかと思いますが、トイレについては、本当にそのとおりだと思います。
そして、評判の良さは、綺麗さに加えて、例のウォッシュレット、シャワートイレなどと呼ばれているもの、むずかしく言えば温水洗浄便座。これ使いだしたらやめられない。たまに油分がなくなって肌荒れしてしまったという声をきくこともありますが、何しろ清潔、手もあまり汚さず紙も少しですむ。
ところが、海外では日本人のよく行くホテルや高級ホテルなどでボチボチ取り入れられる程度で、普及はいまいちでした。例えば、米国での温水洗浄便座の浸透率は3%と8割の日本と比べて低水準にとどまっています。
アジア諸国ではもともと水で流す文化があるので、受け入れられやすいし、水が豊かに得られる国が多いのですが、コスト面で難がある。欧州は概ね保守的だし、水の質によっては細い管が詰まってしまうなどが原因?
それでも日本企業、頑張っています。
最近聞いた話ですが、TOTOは2031年3月期までに米州事業の売上高を25年3月期に比べて4割増の約1000億円に引き上げるそうです。温水洗浄便座「ウォシュレット」などが売れだし、今年の3月期では前年比2割増の売上を記録、来年3月期は4割増を見込み、ウォシュレットの現地生産も検討していくとのこと。
トイレだけに流れが変わってきました。
今、マーケットシェアはというとTOTOのウォッシュレットが54~55%、LIXIL(INAX)のシャワートイレが24%、Panasonicのビューティ・トワレが10%、以上で9割をしめる寡占状態ですが、その中でもTOTOがダントツのガリバー状態です。
便器以外の製品も含めると、順位は完全に逆転、パナソニックがTOTOの10倍の売上、LIXILもTOTOの倍となっています。
パナソニックは別格として、もともと、TOTOもLIXILもルーツを共有する兄弟会社、LIXILとしても黙ってはおられません。
起死回生の策として目をつけたのがTOYOTA、TOTOではありません、トヨタ自動車株式会社です。
これからは、自動運転とつながるクルマ、単なる移動手段ではなくなりました。
特に大型車で長距離ドライブするアメリカでは、快適な空間を提供することが課題、そうです、車載トイレの開発をすすめております。
ちょっと疑問になる点がありましたので、開発陣に聞いてみました。
ー 流した水はどうするんですか
ー そりゃ建前的にはためておいてまとめて処分することになっています。
ー 建前的っておっしゃいますと?
ー 広い国土、延々と農地が広がります。またそうでないところは、砂漠地帯、ともに水が貴重です。恵みの雨って言葉がありますよね.....。