寿命の中央値という概念があります。これは半数が生存している年齢で、2023年簡易生命表によりますと、男性83.99歳、女性90.02歳、そして、健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳(2022年発表)とのことです。
(平均寿命は、2024年の生命表で男性81.09歳、女性87.13歳となっていますが、これは0歳時の平均余命をあらわすもので、若くしてなくなる方が数値を引き下げているので、「寿命の中央値」のほうが実態に近いと言えます。)
簡単に言うと、男は84、女は90、そして、病気やケガ、介護などで日常生活に何らかの制限がある期間が男は11.5年、女14.5年ということになり、女性のほうが6年も長生き、その代わり、体の不調に悩まされる期間は女性の方が少し長いということになります。(平均寿命で比べるなら8.5年、女は11.5年、公式にはこちらが使われています)
何で、女性のほうが長生きする? 男は外に出ると7人の敵がいる、女のほうが楽だから、そんな言い方は流行りません。もちろん戦争で命を落とすという時代でもないし、今どき、女性も外で働くし、下手すると帰宅後も家事育児の主役となっているケースが多いようなので、楽している論はあくまでも男の酒席での冗談話でしょう。
女性のほうが平均年齢が高い理由として、女性は子供や孫の面倒を見る大事な役割があるので、おいそれと死なれては神さまが困るという説があります。これ、あながちオカルトではなく、進化生物学や人類学の分野で「おばあさん仮説(Grandmother hypothesis)」という立派な名前までつけられているのだそうです
動物の世界では、生殖能力がなくなったら、お役御免、退場!っとなるのですが、人間の赤ちゃんは他の動物よりずっとずっと未熟、手がかかりますよね。それお母さんひとりでやっていたら、次の子供なかなか産めないですよね。
でもおばあちゃんが育児や家事をたすけてくれたら、お母さんも次の子供を作ることが出来るし、うまれた子どもの生存率がグーンと上がろうってものです。だから、同じ遺伝子を持った子孫を増やそうという立場としては、閉経して子供を産めなくなった女性にも長生きしてもらったほうが得策だということになるわけです。
今どきのおばあちゃん、孫で遊ぶだけでろくに面倒みずに、一人で遊び回っているよとか、同居していないから無理、とか、その考え男女共同参画社会の考えに沿っていない、男も子育てに積極的であるべきだという声もありますが、そんなこと言っても、これ神さまが決めたこと、私に言われても困ります。
じゃ神さま、おじいちゃんも孫育て頑張るから長生きさせてとお願いしてみました。
でもそれは仕組み上却下だそうです。
生物学において、娘が産んだ孫は、おばあさんから見て確実に自分の遺伝子を継いでいると分かる一方で、男性は、あ、これ以上言わせないで。
その代わり、男性は閉経がなく、かなりのご年齢でも子供が出来て生物としての役割を果たしたという話を聞きます、ホントかどうかは別として。