私、僅かな面積の畑で家庭菜園を楽しんでいます。
根が横着なもので大した手間をかけない放置農法に近いのですが、それでも季節季節を味わえ、採れたての野菜を手にすることができます。
野菜の花って美しいとおもいません? 作物をもたらせてくれるという贔屓目かもしれませんが、大好きです。
アオイの仲間のオクラは大きくて美しい花を咲かせますが、多くの野菜はとっても地味な花を咲かせます。でも、その地味さが可愛い。
晩秋になりました。この時期、キウリ、トマト、ナス、オクラといった夏野菜はすべて終わり、菜園は玉ねぎ、サヤエンドウ、ブロッコリ、大根などの冬野菜に置き換わるのですが、今年は何しろ異常。いまだに、トマトやナスが花をさかせています。
花を咲かせても交配してくれる虫もいないし必要な温度もないのでムダ花、トマトなんか実をつけても色がつきません。
でも、こうやって僅かに残り花を咲かせている姿って健気で、風情があります。引っこ抜いて新しい冬野菜に変えようとする手を押し留めます。
野菜でなくても、ニオイバンマツリ サルビア ゼラニウム ペチュニア ベゴニア ゼラニウム ミント ローズマリーなどは晩秋まで花を咲かせます。咲かせるのですが、なにか悲しそうで、真っ盛りのころとは別の風情があります。
この爺さん、何を感傷に浸っているんだい、と影の声。
そうですね。
よくよく考えると、花って植物の生殖器。それなのに不思議なことに大ぴらに飾っても猥褻とはいわれない。みんなが美しいといって愛でる。実をつけて次世代に命をつなぐ役割を終えても、風情があるなんていわれる。
なああんだ、この咲き遅れの花ども、人間でいうとこれただの老残、老醜、助平ジジイ、色狂いババア。
さっさと引っこ抜いて、新しい苗を植えることにしました。