物流業界は慢性的な人で不足に悩んでいる。
無人輸送やドローンの利用なども検討しているが、猫の手も借りたい状況が続いている。
以下、小耳に挟んだご老人2人の会話。
退屈でやることないと引きこもっていたのに、最近、ハツラツとしているね。
いやー、わかるかね。最近ウォーキングを再開したんだ。お陰で体調が良いよ。
目的もないのにウロウロ歩けるかと言っていたのにどうした風のふきまわしだい。
p-p-、あ、また呼び出しだ。ごめん、ちょっと行ってくる。
なに、どうしたんだね、スマホ片手にまるでウーバーみたいだね。
それそれそのウーバー、配達のボランティアはじめたんだ。ミケネコ社に頼まれて近所に配達にいくんだよ。
小遣い欲しさのアルバイトかい、大したお金にならんだろうに。
いや、ボランティア、ボランティア。見損なってくれちゃ困る、金には不自由していない。ただで配ってやる代わりに会社は1個100円、子ども食堂に寄付するしくみになっているんだ。ヒマ人年寄りも社会貢献ってわけさ。
カッコつけやがって、お前さんのことだから配達先の奥様方と話したいんだろう。
それそれ、人と話するとボケないっていうじゃないか、正直、女性が出てくるとトキメキがあって気持ちが若返るよ。お前さんもどうだい。
発端は、配達員からの、ウォーキングと称して暇そうな年寄りがウロウロしていて運転に気を使うとの発言にあり、ミケネコ社の広報部によると、人手不足対策にはあまり役にたっていないが、じいさま方に家にいてほしくない奥様方からの感謝の声が大きく、やめられなくなったとのこと。
ライバル会社の動きだが、同業者のヒキャク社が、オフィス向け配達を皇居マラソン愛好者に委託しはじめたが、汗で濡れないよう挟箱の支給を検討している。また、郵パクパク社は犬の散歩者の活用に目をつけたが、古来郵便屋さんと犬との相性が悪いので、これは断念した模様である。
ぺりかん社は、ドローンの活用に全力を注ぐ方針で、この動きには追随していない。